勉強のコツ、悩み解消法≪努力は天才に勝る‼≫  

バカな私でも「天才」になれた勉強のコツ‼「死にたい」と悩むあなたの力になりたい‼ 受験勉強、いじめ、人間関係など子供から大人までの悩み解決法。

「私が離婚を回避できた理由」  #「迷い」と「決断」

  結婚すると、一度は「迷う」はずだ。「離婚しようか」と。そのくらい、結婚生活を維持していくのは大変なことだ。ましてや私のように、家事を一切手伝おうとしない人間が夫であれば、尚更だ。実際、我が家はけんかが絶えず、離婚をいつ「決断」されても不思議ではなかった。
 「うるさい、黙れ。この野郎‼」。
私が怒り狂って拳を振り上げると、妻が言う。
 「あんた、暴力を振るったら離婚だからね」。
喧嘩の原因は、いつも家事分担だった。私が疲れて、やっと帰宅したというのに、妻はいつも「家事をやれ」と言ってくる。油まみれになっているフライパンや食器を指さして、「すぐに洗って」と言う。
 「私も働いているんだから、あんたも家事をするのは当然でしょ」。
妻の常套句だ。私は、いつも不満タラタラ。仕方なく食器を洗いだすと、妻はすぐさま私のそばに来て、「ここの汚れが残っているでしょ」と指摘してくる。さすがに頭にきて、
 「もう、面倒くさい。やめた。家事なんて、やってられるか」。
私が投げ出そうとすると、
 「じゃあ、明日から御飯無しね!」
と言う。
 「俺は仕事で疲れ果てて、クタクタなんだ。お前と俺とでは、仕事の大変さが違うだろ」
何とかして、私の仕事の大変さを妻に分からせようとするが、
 「何言ってるの。私だって大変だわよ」
と、反論してくる。
 年の離れた妻とは、育った時代も違えば考え方も違う。私は「男は仕事、女は家庭」と言われた時代に育ち、いつも家族のために必死で働いてきた。仕事が深夜にまで及ぶときもあったが、それも「男だから」と思って、受け入れてきた。それなのに今更、妻と同じように家事分担を求められても困る。私の父も、食器なんて洗っていなかった。 
 「あんたがしないなら、本当に御飯作らないからね」
やむなく食器を洗い始めると、妻はさらにゴミ出しや風呂掃除まで、次々と求めてくる。これじゃいくら何でも、ひどすぎる。私の男としてのプライドが許さない。
 「おい、いい加減にしろ」。
私が怒鳴りだすと、
 「あっ、またケンカしてる!」
と、小学生の息子の声。それでも、私がやめないと、
 「なんで、ケンカばっかりするの。もう、やめて!」
と、息子が泣き出す。何とも情けない夫である。それ以後、息子は、私たち夫婦が一緒にいる場には、顔を出さなくなってしまう。
 さらに、息子の体調がおかしくなる。朝、登校時間が迫っているのに、「お腹が痛い」と言って、なかなか起きてこない。無理やり起こしても、「学校に行きたくない」と言う。終いには、本当に学校に行かなくなってしまう。私たち夫婦の仲が悪い事で、息子の体調にまで悪影響を及ぼしてしまったらしい。
 「わかってくれない妻」と「体調不良の息子」に囲まれて、私はもうどうしていいのか、わからなくなった。「いっそのこと、離婚してしまおうか」。そんな考えが私の頭をよぎる。離婚すれば、息子にもこれ以上嫌な思いをさせなくても済む。分かり合えない妻といつまでも結婚生活を続けるよりは、息子のためにも、離婚を決断する方がいいのかもしれない。   
 「ついに、俺も離婚か?」
ふと、離婚した自分の姿を思い浮かべる。一人ぼっちになった部屋で、家事に励む自分の姿を。今までしたこともない料理に挑戦し、食器を洗い、ゴミ出しや風呂掃除までしている。一人になると、家事も当然、全部しないといけなくなる。結局、離婚しても、家事から逃げることなんてできない。それどころか、もっと負担が増える。そこまで追い詰められて、ようやく「自分のことは、自分でするしかない」と思えるようになる。私は、こんな当たり前のことさえも忘れてしまっていたらしい。
 すると、食器洗いなんて全然苦にならなくなる。実際に、食器を洗っても、つらく感じない。全く平気である。不思議だ。以前は、嫌で嫌で仕方なかったはずなのに。
考え方ひとつで、こんなにも感じ方が変わろうとは。「私は、ただ甘えていただけ。妻に依存していただけ」と、思い知らされる。
 人間は所詮、一人である。このことを忘れず、いつも自力で生きようとすれば、甘えや依存心も出てこないのではないだろうか。そして、家庭も平和になるのではないだろうか。